BRIAN’S SONG
2020年12月24日 日常 コメント (2)年末の大掃除がなかなか捗らないでいた。
風邪をひいて体調が悪いこともあるし、掃除を始めようとすると何やかやと妨害が入ったりする。
気を取り直して掃除機を手にすると、親父から腰が痛いからマッサージしに来てくれと連絡が入ったり。
仕事を辞めて無職にはなったが、無職ってこんなに忙しい「職業」だったのか。
そんなことを考えながら、本棚の上に載せていた古いダンボール箱を降ろしたら、中から大量のカセットテープが出て来た。
それらのカセットテープには、ご丁寧にもインデックスカードに曲名やアーティストの名前が手書きで記されている。
おそらく80年代にFMのエアチェックなどで録音したものだろう。当時は今とは別の意味で時間がたくさんあったから、お気に入りのFM番組から音楽を録音していたのである。
幸い我が家にはカセットデッキが現役で活躍しているので、気になるカセットテープを一本取り出して再生してみた。
サーッというカセットテープ特有のヒスノイズの後、その曲が静かに流れ出した。
この曲、何年振りに聞いただろう。
すっかり忘れていた曲。だけど一瞬にして思い出した。
しばらくその調べに耳を傾けていた。
耳を傾けているうちに涙が滲んで来た。
テープが入っていたプラケースのインデックスに目を落とす。
『ブライアンズ ソング』
ブライアンズ・ソングって確か映画音楽だったな。
映画館で観たのか、それともテレビで観たのかは忘れたが、プロフットボールチームに所属する白人選手と黒人選手の友情の物語だったはず。実話を基に作られた映画だが、悲劇的な結末を迎えることになる。
友情の素晴らしさを教えてくれるこの映画は、今でもアメリカ人にとても人気があるのだそうだ。
「友情」か...
小学校一年生の時から半世紀も続いていたある友人、いや、親友がいたが、ちょっとしたことが元で袂を分かった。兄弟のように育った我々二人だったが、実に呆気なく終わりを告げてしまった。
こちらとしては今でも「嘘だろう」「何で」という気持ちだが、彼は決して許すつもりはないだろう。長い事一緒にいればその性格はよく分かっている。
まあ、それも仕方があるまい。私の説明不足にも原因があるからだ。
だからと言って、その説明をここですることは出来ない。ここで説明すると、私を頼った人の話を、なぜ君に伝えなかったかを話さなければならなくなるからだ。
今度はその人のプライバシーを晒さなければならなくなってしまう。
50年の付き合いも、たった1日の「齟齬」で崩れ去ってしまうものだという事がよく分かった。
高校生の頃、君がある学習雑誌に「友情なんてあり得ない」という一文を寄せていた。それを読んだ時、私は些か反発したものである。しかし今、こうしてみると、それが正しかったことが漸く理解できたよ。
うん、君の勝ちだ。負けを認めるよ。
そして最後に、長い間ありがとう。
※非常にプライベートな内容で困惑された方も多いことでしょう。申し訳ありません。お許しください。
ちなみに「BRIAN’S SONG」はYOU TUBEで検索しますと幾つかヒットしますが、お勧めはやはり作曲者のミッシェル・ルグランでしょう。(Adieu, Michel Legrand - Brian’s Song (2006 concert performance)で検索してみてください。
風邪をひいて体調が悪いこともあるし、掃除を始めようとすると何やかやと妨害が入ったりする。
気を取り直して掃除機を手にすると、親父から腰が痛いからマッサージしに来てくれと連絡が入ったり。
仕事を辞めて無職にはなったが、無職ってこんなに忙しい「職業」だったのか。
そんなことを考えながら、本棚の上に載せていた古いダンボール箱を降ろしたら、中から大量のカセットテープが出て来た。
それらのカセットテープには、ご丁寧にもインデックスカードに曲名やアーティストの名前が手書きで記されている。
おそらく80年代にFMのエアチェックなどで録音したものだろう。当時は今とは別の意味で時間がたくさんあったから、お気に入りのFM番組から音楽を録音していたのである。
幸い我が家にはカセットデッキが現役で活躍しているので、気になるカセットテープを一本取り出して再生してみた。
サーッというカセットテープ特有のヒスノイズの後、その曲が静かに流れ出した。
この曲、何年振りに聞いただろう。
すっかり忘れていた曲。だけど一瞬にして思い出した。
しばらくその調べに耳を傾けていた。
耳を傾けているうちに涙が滲んで来た。
テープが入っていたプラケースのインデックスに目を落とす。
『ブライアンズ ソング』
ブライアンズ・ソングって確か映画音楽だったな。
映画館で観たのか、それともテレビで観たのかは忘れたが、プロフットボールチームに所属する白人選手と黒人選手の友情の物語だったはず。実話を基に作られた映画だが、悲劇的な結末を迎えることになる。
友情の素晴らしさを教えてくれるこの映画は、今でもアメリカ人にとても人気があるのだそうだ。
「友情」か...
小学校一年生の時から半世紀も続いていたある友人、いや、親友がいたが、ちょっとしたことが元で袂を分かった。兄弟のように育った我々二人だったが、実に呆気なく終わりを告げてしまった。
こちらとしては今でも「嘘だろう」「何で」という気持ちだが、彼は決して許すつもりはないだろう。長い事一緒にいればその性格はよく分かっている。
まあ、それも仕方があるまい。私の説明不足にも原因があるからだ。
だからと言って、その説明をここですることは出来ない。ここで説明すると、私を頼った人の話を、なぜ君に伝えなかったかを話さなければならなくなるからだ。
今度はその人のプライバシーを晒さなければならなくなってしまう。
50年の付き合いも、たった1日の「齟齬」で崩れ去ってしまうものだという事がよく分かった。
高校生の頃、君がある学習雑誌に「友情なんてあり得ない」という一文を寄せていた。それを読んだ時、私は些か反発したものである。しかし今、こうしてみると、それが正しかったことが漸く理解できたよ。
うん、君の勝ちだ。負けを認めるよ。
そして最後に、長い間ありがとう。
※非常にプライベートな内容で困惑された方も多いことでしょう。申し訳ありません。お許しください。
ちなみに「BRIAN’S SONG」はYOU TUBEで検索しますと幾つかヒットしますが、お勧めはやはり作曲者のミッシェル・ルグランでしょう。(Adieu, Michel Legrand - Brian’s Song (2006 concert performance)で検索してみてください。
コメント
残念ながら入っていませんでした
レンタルショップで探してみます
年を重ねると苦かったり酸っぱかった思い出ってたくさんありますよね
若かった頃は気づかなかったけどこの年になると見えなかった物が見えたりします
(シックスセンスではありません(^◇^;
私も今は疎遠になっている親友の事を思い出しました
願わくば偶然でも再会した時にお互いの健康を祝い笑顔で挨拶したいですね^ ^
この映画は1971年頃に公開されたと思います。肺がんに侵されて亡くなるピッコロの役を演じたのは、ジェームス・カーンです。あのゴッド・ファーザーに出演していましたので、覚えている方も多いでしょう。
この映画の印象的な音楽を作曲したのが、「シェルブールの雨傘」や「おもいでの夏」などで知られるミッシェル・ルグランです。日本でも人気が高い作曲家でしたが、昨年86歳で亡くなられたとのことです。
私ももう一度「ブライアンズ ソング」を観たいと思うのですが、中古ビデオなどを探すしかないかと半ば諦め気味です。
さて、今回のDNには、長年にわたり親交があった友との別れを書きました。
私としては未だ釈然としないものがあるのですが、これもきっと天の采配なのでしょう。今はそう思うことにしています。
人間それなりに長いこと生きていると、実に様々なことがありますね。つくづくそう思います。