川音亭で手打ち蕎麦を堪能した後、近くにコーヒーの美味しい店があるから行こうと息子に誘われて訪ねたのが『BULE COFFEE』である。
注意深くクルマを走らせないと、その入り口を見過ごしてしまいそうな、そんな森の中の小さなCAFÉだ。
一度訪れたことがあるという息子も、この時、店へと続く小径の入口をうっかり通り過ぎてしまったくらいだ。
クルマをUターンさせ、今来た道を戻ると、今度はCAFÉの小さな看板を見つけて、その小径へとハンドルを切る。クルマ一台がやっと通れるほどの道だが、その先に美しい紅葉に包まれて、その建物はあった。
一見すると別荘のような趣きの建物だ。無機質を排除し、蔵王の森に相応しい佇まい。黒い板張りの外観がとても印象的な店である。
建築に興味のある息子曰く、仙台で最も注目を浴びている設計士、三浦正博氏の手によるものだと教えられたが、残念ながら建築関係にまったく疎い私は「ふ~ん」と生返事をするしかなかった。
だが、シックな木製のドアを開けて一歩店内に入ると、外観とは打って変わって明るく安らぎのある空間が現れた。店の外観が大木の表皮だとすれば、店内はまるでその中をくり抜いたかのような木のぬくもりが溢れる造りとなっている。
席数は決して多くはないが、椅子を含めたインテリアはとてもシンプルで、かつセンスが良い。また、店の奥の暖炉がひときわ目を惹く。
ここで暖を取りながら、温かいコーヒーを飲んだら絶対美味しいに決まっている。
私もコーヒー屋の息子だったので、その店の味はブレンドコーヒーに現れることはよく承知している。そこで『ブルーマーカー(中深煎り)』を頼み、息子は『ブループラス(深煎り)』を注文した。当然のことながら豆は自家焙煎である。
待つことしばし、コーヒーの芳香が周囲にたゆたい、自ずと期待が沸き起こる。
そしてそのコーヒーの味については、もう語る必要もないだろう。私も息子も十分に満足した。苦みが、そして酸味がどうのという野暮はやめておこう。
帰りのクルマの中で飲むために、テイクアウト用にコーヒーを作ってもらい、我ら親子は店を後にした。
今日は旨い蕎麦も食べたし美味しいコーヒーも飲むことが出来た。とても贅沢な一日を過ごすことが出来たとハンドルを握る息子に語りかけた。語りかけながら
「しまった!」
突然声を上げた私。息子は「なに、なにっ」と驚く。
「写真を撮り忘れた」
私ともあろうものが、BLUE COFFEEの外観など、カメラに収め忘れてしまったのだ。
蕎麦で腹が満たされたせいなのか、それともただのボケなのか、写真好きを標榜する私としてはあり得ないミスだった。
尤も、撮り忘れたということを思い出しただけでもまだ良い方か。
そこで以前息子が同店を訪問した際に撮影した写真を掲載させて頂いた。新緑の頃だったので緑がとても鮮やかである。
そしてこれから迎える冬もまた素敵だろう。
雪の中のBLUE COFFEE。暖炉の火。芳醇なコーヒーの香り。
只今、すっかりぬるくなったインスタントコーヒーを啜りながら、頭の中にそんな映像を結んでいるところである。
注意深くクルマを走らせないと、その入り口を見過ごしてしまいそうな、そんな森の中の小さなCAFÉだ。
一度訪れたことがあるという息子も、この時、店へと続く小径の入口をうっかり通り過ぎてしまったくらいだ。
クルマをUターンさせ、今来た道を戻ると、今度はCAFÉの小さな看板を見つけて、その小径へとハンドルを切る。クルマ一台がやっと通れるほどの道だが、その先に美しい紅葉に包まれて、その建物はあった。
一見すると別荘のような趣きの建物だ。無機質を排除し、蔵王の森に相応しい佇まい。黒い板張りの外観がとても印象的な店である。
建築に興味のある息子曰く、仙台で最も注目を浴びている設計士、三浦正博氏の手によるものだと教えられたが、残念ながら建築関係にまったく疎い私は「ふ~ん」と生返事をするしかなかった。
だが、シックな木製のドアを開けて一歩店内に入ると、外観とは打って変わって明るく安らぎのある空間が現れた。店の外観が大木の表皮だとすれば、店内はまるでその中をくり抜いたかのような木のぬくもりが溢れる造りとなっている。
席数は決して多くはないが、椅子を含めたインテリアはとてもシンプルで、かつセンスが良い。また、店の奥の暖炉がひときわ目を惹く。
ここで暖を取りながら、温かいコーヒーを飲んだら絶対美味しいに決まっている。
私もコーヒー屋の息子だったので、その店の味はブレンドコーヒーに現れることはよく承知している。そこで『ブルーマーカー(中深煎り)』を頼み、息子は『ブループラス(深煎り)』を注文した。当然のことながら豆は自家焙煎である。
待つことしばし、コーヒーの芳香が周囲にたゆたい、自ずと期待が沸き起こる。
そしてそのコーヒーの味については、もう語る必要もないだろう。私も息子も十分に満足した。苦みが、そして酸味がどうのという野暮はやめておこう。
帰りのクルマの中で飲むために、テイクアウト用にコーヒーを作ってもらい、我ら親子は店を後にした。
今日は旨い蕎麦も食べたし美味しいコーヒーも飲むことが出来た。とても贅沢な一日を過ごすことが出来たとハンドルを握る息子に語りかけた。語りかけながら
「しまった!」
突然声を上げた私。息子は「なに、なにっ」と驚く。
「写真を撮り忘れた」
私ともあろうものが、BLUE COFFEEの外観など、カメラに収め忘れてしまったのだ。
蕎麦で腹が満たされたせいなのか、それともただのボケなのか、写真好きを標榜する私としてはあり得ないミスだった。
尤も、撮り忘れたということを思い出しただけでもまだ良い方か。
そこで以前息子が同店を訪問した際に撮影した写真を掲載させて頂いた。新緑の頃だったので緑がとても鮮やかである。
そしてこれから迎える冬もまた素敵だろう。
雪の中のBLUE COFFEE。暖炉の火。芳醇なコーヒーの香り。
只今、すっかりぬるくなったインスタントコーヒーを啜りながら、頭の中にそんな映像を結んでいるところである。
コメント
素敵なお店に出会えて良かったですね☆
私もコーヒー党なのでワクワクして読ませていただきました。
美味しいコーヒーは本当に幸せな気持ちをくれますね。
次回、訪れた際のお写真も楽しみにしております。
こんばんは。
仕事を退いてから、スタバやタリーズさえ訪れる機会がぐっと減ってしまったところへのBULU COFFEEでしたので、久しぶりにコーヒーを堪能することが出来ました。
こんな店が近くにあれば良いのにと思う反面、自然豊かな土地にあることこそ意義があるのではないか、などと思ってみたりしています。
今度また行くときには写真を忘れないように気を付けますね!
私の学生時代はまさにガロの「学生街の喫茶店」で、珈琲とタバコの匂い、そして何故かナポリタンあるいはピザトーストの香りが入り混じってました(遠い目)今は池袋の珈琲専門店も、珈琲の香りだけで、タバコは無いですね(-_-;)
ところで、BULU COFFEEのBULUは珈琲豆の焙煎の意味ですか?
・・・私はネスカフェのグリーンの蓋のインスタントコーヒーです(^.^)
実は私、セブンイレブンのコーヒーが一番美味しいと思っておりまして。
勤め人時代は近所のセブンによく買いに行ったものです。
自宅の近くにもセブンがあるので、時々買っては飲んでいます。
どちらかというと、コーヒーは濃いめが好きなので、いつかエスプレッソマシンが欲しいと思っているのですが、現状はといえばネスカフェのゴールドブレンドでとりあえず満足しているところです。
でも、インスタントも私の若い頃に比べたら随分美味しくなったものです。
私も学生時代は毎日のように喫茶店へ入り浸っていました。客としてだけではなく、店員としても働いたりと、喫茶店は我が青春の1ページと言っても良いものでした。
コーヒーミルで豆を挽くと、芳香が店内に拡がり、そこへタバコの薫りが入り混じって、未だにその薫りが蘇ってきます。
ナポリタンもピザトーストも喫茶店の代名詞みたいなものでしたね。
因みに妻と知り合ったのも喫茶店でした。余計な話ですけど(笑)
さて、BLUE COFFEEのBLUEの意味ですが、そこまでは確認しておりませんでした。確かに焙煎もしていますのでそうかもしれませんが、今度また行く機会があれば、名前の由来を聞いてみたいと思います。
この店では焙煎した豆の通販もしているようですので、ご興味がおありでしたらサイトを検索してみてください。Ethiopia Guji Kercha Naturalという豆などを使用しているようです。
でしたらコーヒーには厳しい舌をお持ちですよね
我が家もコーヒー派でたまにサイフォンで入れて楽しんでます
最近行きつけの珈琲専門店でオリジナルカレーを始めました
きっと美味しいカレーなのでしょうが
焙煎豆の香りがカレーの匂いに負けてガッカリし足が遠のいています
しかし素敵なコーヒー屋さんですね。
シックな建物。すっかり森に溶け込んでいますね。良い佇まいです。
おー。本格的なコーヒー。The大人!な感じですね。
私は3年前まで実はコーヒーを飲めない人間でした。が、ひょんな事からイケる口になりました。とは言え、まだまだコーヒーデビューしたて。コンビニのカフェラテを美味い!というお子ちゃまレベルです。
そうそう!先日の蕎麦テロ。中途半端ではありましたが、私も2日続けてお蕎麦を少しだけ頂きました。食べたかったモノって美味しいですね。
はい、おふくろが仙台市内で喫茶店を経営しておりました。親父は勤め人でしたので、私も妹も鍵っ子というやつでした。
学生時代は時々顔を出したりしていたのですが、その度に店を手伝わされたりしていましたね。でも、女子大生やOLさんなどに人気があった店なので、彼女たちと話が出来て、なかなか楽しかったものです。
その店では梅子さんと同じく、一杯ずつサイフォンで淹れていました。その当時のサイフォンが今でも我が家にありますが、いつか復活させてみたいなと思っています。
そうそう、カレーは出していなかったのですが、ピザトーストは人気メニューでしたね。
ピザならばコーヒーの香りを台無しにしてしまうようなことはありませんでしたし。
コーヒーテロ、やっちまいましたが、被害のほどは如何ですか?
まるこさんはコーヒーが苦手でいらしたのですね。私の周囲でも苦手だという人は案外多いようです。
最近ではコーヒーの効用が様々歌われるようになりました。例えばガン予防だとか、認知症予防に効果があるだとか。私は幼い頃からミルク代わりにコーヒーを飲まされてきたので(なんという親でしょう!)今のところそれらの兆候(???)はなさそうです。
コンビニのコーヒーだって馬鹿には出来ませんよね。昨日孫を幼稚園にクルマで送った際に、コンビニでカフェラテを買って飲んでみましたが、結構美味しかったですよ。私の舌もお子ちゃまレベルかなあ?!
ところで、お蕎麦が少しでも口に出来るようになって良かったですね。
この次は大盛りが行けますように、祈っておりますよ。