あまびえちゃん
あまびえちゃん
「あまびえ」という妖怪をご存知だろうか。
今回の新型コロナウイルス騒動下で再三再四メディアが取り上げていたから、一度は耳にされた方も多いのではないだろうか。
江戸時代に現在の熊本県(肥後地方)に現れたという妖怪が「あまびえ」である。
その外見は鳥のような人魚のような、なんとも奇妙な姿形をしており、「疫病が流行ったら私の写し絵を人々に見せよ」と言い残し、海に消えて行ったという。
それにしても、今よく目にするこの「あまびえ」ちゃんの絵は、妖怪と呼ぶにはなんとも可愛らしく見える。実物?は本当にこんな姿をしていたのだろうか。

子供の頃、伝言ゲームなる遊びに嵌ったことがある。
或る文章を次々に耳打ちして行き、最後の人まで正しく伝わったかどうかを楽しむゲームだ。
これは人数が多いほど面白い。最初の文章がとんでもない文章に変わってしまって、一同大笑いで終了する。
そこでこの「あまびえ」ちゃん。人から人へと模写されていくうちに、現在のような姿になってしまったのではないかと推察する。
そもそも不知火の海から現れた妖怪である。蜃気楼が発生する海から現れた妖怪はこんなユーモラスな姿ではなかったと思われる。
きっと誰かがもう少し怖くないように描き直したのか、それとも絵の下手な人が描きうつしたのが、そのまま残ってしまったのか、そのあたりは分からない。
でも、こういう話が出て来たことで、殺伐としたこの年に少しだけ息抜きというか光が差したような気がした。

さて、そんな訳で、今日はこの「仙台伊澤家 勝山酒造」の「疫病退散」を謹んで頂戴することにしたい。
身体の中にあまびえちゃんを取り込んだ方が、きっと効果絶大に違いない。

コメント

しゆい
しゆい
2020年10月11日14:08

こんにちは。
アマビエ様は各方面で見かけますねー
このご時世ですもの、脚光を浴びて目をパチクリしていることでしょう。
伝言ゲームならぬ伝言絵画? はたまた落書き?!
あえて言うなら絵心のある人が存在したからユーモラスな現在の絵になったと思われます。

まるこ
2020年10月11日15:26

こんにちは。
あはは!ヒコヒコさんの想像力は流石です!!
「伝言ゲーム」に喩えるとは。笑。
肥後国で出没した「アマビエさま」。慌てて描写した方が私のように絵心のない方だったら…??それは伝言ゲームの結果より、驚きの結果だったかも??
それで思い出したのが、イタリアでしたか?教会の貴重な壁画の修復を買って出た人が「ど素人」だった話。さぞやそに出来上がりにマリア様も目を丸くしていたでしょうね。笑。
確か上野公園の西郷隆盛像の除幕式の時、西郷さんの奥様が「うちの主人はこんな顔じゃなかと!!」と言ったとか…。
でも私は今メディアで取り上げられている可愛らしいアマビエ様が好きです。
ちょっとシンガポールの「マーライオン」に似ているなぁ〜っていつも思ってます。
時代が変わっても疫病や流行病は怖いものですものね。何かに救いを求める人間の心は時代を超えても同じなんでしょうね。
ええ!ぐいっと杯を上げてください。「疫病退散」間違いなしです。
私は日記仲間さんから譲って頂いた「編みぐるみ」を飾って祈っています。

マダムM
2020年10月11日18:32

最初、アマビエ様のこと「アマエビ」様と読み間違えておりました。エビの神様にも見えなくないでしょ?よくよく目を凝らしてみれば、『エビ』ではなく『ビエ』と気付いた次第(汗)妖怪さんで水木しげるさんの作品にも登場しているとか。
疫病退散のお酒、きっと効き目はありますね(笑)
私も編みぐるみのアマビエ様に見守られています!

ヒコヒコ
2020年10月12日1:42

待花。様
結果的に伝言絵画となってしまったようですね。元の姿が知りたくなります。
それにしてもこの絵を長いこと見つめていると、親しみが一層湧いてきます。
これを描いた人はひょっとして天才?
そんなことをちょっとだけ妄想していました!

ヒコヒコ
2020年10月12日1:59

まるこ様
そうでした。そんな事件?!がありましたね。修復した人が専門家ではなく、ほとんど素人さん。依頼する方も依頼する方です。わからなかったのですかねぇ!
上野公園の西郷隆盛像もまったく顔が違ったとか。何を元に造ったのでしょうね。
結構いい加減な仕事をしたんだなあと思ってしまいます。
我が妻はあまびえちゃんを見てひと言、「なにこれ」でした。
私は可愛いと思うけどなあ。
それからマーライオン。確かに外見が似ています。あれも魔除けなんでしょうか?もしそうなら、その姿形は意味あることなんでしょうね。
さて、引き続き疫病退散の神聖なる儀式を続けさせていただきまーす!

ヒコヒコ
2020年10月12日2:12

マダムM様
はい、そうです。私も最初、あまびえではなく、大好きなあまえびと呼んでいました。もっと言えば、甘エビが疫病に効果があるのだと早とちり!
因みにあまびえは「あまひこ」という、これまた同種の妖怪が転じたものではないかとの説があります。
貼りつけた酒瓶の写真、そのラベルにけむくじゃらの妖怪が描かれていますが、それがあまひこ或いはあまびこです。こちらも疫病退散に効果があるとか。
ところで、「ひこひこ」は何となく字面が似ていますが、世間様のお役には立ちませんことを念のため申し添えておきます。

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