お彼岸だからねぇ、そういうこともあるのでしょう
2020年9月23日 不思議草子 コメント (12)お彼岸ということで、妻の実家へ墓参りに出かけた。
以前の日記にも書いたが、現在は義姉がひとりで大きな家を守っている。妻にとっては兄嫁ということで、だから血は繋がっていない。
妻から見れば義姉は他人だが、しかしふたりはとても気が合うようだ。傍から見ているとまるで本物の姉妹のようだ。
いや、本物の姉妹だから仲が良いとは言えないが、気の置けない存在と言った方が良いだろうか。
久しぶりに義姉に会えるということで、妻も嬉しそうだった。
義姉には前日に訪問することは伝えておいたが、なるべく遅い時間に来て欲しいと頼まれた。
田舎は近所づきあいが多い。また、親類縁者も大勢いるので、特にお彼岸の時などは来客がひっきりなしだ。そのため客が帰った頃に来て欲しいということなのだ。
そこで私と妻は先に墓参りを済ませて、もう来客者もいない頃だろうと見計らった上で実家を訪問したのだが、どうやらまだお客はいるようだった。
田舎の家特有の広々とした玄関。上がり框に並べられた私と妻の分のスリッパ。
「こんにちは」と声を上げると、奥の方から義姉の「どうぞ」という返事と、来客者の笑い声が聞こえて来た。
玄関の右手は居間になっており、ちらりと中を覗くと、食卓のテーブルにこちらに背を向けた男性が座っていた。
頭のてっぺんが薄くなっているが、年齢は七十代くらいだろうか。後ろ姿に見覚えが無い。親類縁者だったらだいたい分かるのだが、きっと近所の人かもしれないと思った。
妻は玄関の左手にある仏間に入って持参した供物を仏壇に供えていた。
私も仏壇の前に座り、線香に火をつけた。その時、線香立てを見てあることに気がついた。
線香立てにはすでに線香が三本、煙りをくゆらせていた。その線香の立て方がいつもと違うのである。
ちょうど正三角形の頂点にそれぞれ一本ずつ立てられているのだが、さらにそれらが正三角形の中心に向けて傾けられているのだ。
義姉はこんな線香の立て方はしない。多分、いまこの家に来ているお客さんが供えたのだろう。
それにしてもこういう線香の立て方をされると、どこに立てたらよいか分からなくなる。
少々困惑しながら私と妻は炉の隅の方へ一本ずつ線香を立てた。
「こっちでお茶でもどうぞ」
義姉に呼ばれて、妻とふたりで居間へと移動する。
先程の見知らぬ男性に何と言って挨拶しようかと考えながら、居間に入ると義姉と妻の従姉妹の女性が食卓についていた。
(あれ。さっきのおじさんは何処に行ったのだろう)
あの男性が座っていた席は空いていた。
食卓の上には我々の分と、彼女たちの分の茶器があるだけで、あのおじさんの痕跡はまったくない。
それを見た時、あのえもいわれぬ感覚が身体の奥から湧き上がって来た。
しかし私はそのことには一切触れずに彼女たちと談笑した。
話をしながら来客は妻の従姉妹のみであることを確認。やはりあの男性は存在しない人のようだ。
帰りのクルマの中で、ずうっと黙っていたんだけどと言って妻にそのことを話すと、特に驚きもせずに
「お彼岸だからねぇ、そういうこともあるのでしょう」と言って微笑んだ。
そう言えば線香立てにあった三本の線香。
なんで三本だったのだろう。
義姉、従姉妹。もう一本は誰が立てたのか。
まあいいか。考えるのはやめよう。
以前の日記にも書いたが、現在は義姉がひとりで大きな家を守っている。妻にとっては兄嫁ということで、だから血は繋がっていない。
妻から見れば義姉は他人だが、しかしふたりはとても気が合うようだ。傍から見ているとまるで本物の姉妹のようだ。
いや、本物の姉妹だから仲が良いとは言えないが、気の置けない存在と言った方が良いだろうか。
久しぶりに義姉に会えるということで、妻も嬉しそうだった。
義姉には前日に訪問することは伝えておいたが、なるべく遅い時間に来て欲しいと頼まれた。
田舎は近所づきあいが多い。また、親類縁者も大勢いるので、特にお彼岸の時などは来客がひっきりなしだ。そのため客が帰った頃に来て欲しいということなのだ。
そこで私と妻は先に墓参りを済ませて、もう来客者もいない頃だろうと見計らった上で実家を訪問したのだが、どうやらまだお客はいるようだった。
田舎の家特有の広々とした玄関。上がり框に並べられた私と妻の分のスリッパ。
「こんにちは」と声を上げると、奥の方から義姉の「どうぞ」という返事と、来客者の笑い声が聞こえて来た。
玄関の右手は居間になっており、ちらりと中を覗くと、食卓のテーブルにこちらに背を向けた男性が座っていた。
頭のてっぺんが薄くなっているが、年齢は七十代くらいだろうか。後ろ姿に見覚えが無い。親類縁者だったらだいたい分かるのだが、きっと近所の人かもしれないと思った。
妻は玄関の左手にある仏間に入って持参した供物を仏壇に供えていた。
私も仏壇の前に座り、線香に火をつけた。その時、線香立てを見てあることに気がついた。
線香立てにはすでに線香が三本、煙りをくゆらせていた。その線香の立て方がいつもと違うのである。
ちょうど正三角形の頂点にそれぞれ一本ずつ立てられているのだが、さらにそれらが正三角形の中心に向けて傾けられているのだ。
義姉はこんな線香の立て方はしない。多分、いまこの家に来ているお客さんが供えたのだろう。
それにしてもこういう線香の立て方をされると、どこに立てたらよいか分からなくなる。
少々困惑しながら私と妻は炉の隅の方へ一本ずつ線香を立てた。
「こっちでお茶でもどうぞ」
義姉に呼ばれて、妻とふたりで居間へと移動する。
先程の見知らぬ男性に何と言って挨拶しようかと考えながら、居間に入ると義姉と妻の従姉妹の女性が食卓についていた。
(あれ。さっきのおじさんは何処に行ったのだろう)
あの男性が座っていた席は空いていた。
食卓の上には我々の分と、彼女たちの分の茶器があるだけで、あのおじさんの痕跡はまったくない。
それを見た時、あのえもいわれぬ感覚が身体の奥から湧き上がって来た。
しかし私はそのことには一切触れずに彼女たちと談笑した。
話をしながら来客は妻の従姉妹のみであることを確認。やはりあの男性は存在しない人のようだ。
帰りのクルマの中で、ずうっと黙っていたんだけどと言って妻にそのことを話すと、特に驚きもせずに
「お彼岸だからねぇ、そういうこともあるのでしょう」と言って微笑んだ。
そう言えば線香立てにあった三本の線香。
なんで三本だったのだろう。
義姉、従姉妹。もう一本は誰が立てたのか。
まあいいか。考えるのはやめよう。
コメント
何かのおまじないのように思えます。
ただお線香が気になりますね。お義姉さまたちは気付いてないのかしら?
奥様もご覧になっているということは、誰がお線香を立てたのでしょう??
何ともいえませんが、そういうこともあるのでしょう。
妹にそのことを話したら「通りすがりのおじさんの霊だ」とのことです。
ちなみに妹は私より霊感が強いのです。
私も初めて見る線香の立て方でした。
妻に言わせると、線香の灰が外へこぼれないようにしたのではとのことですが、真っ直ぐに線香を立てれば済む話ですからね。やはり?です。
妹は通りすがりのおじさんの霊だと言っています。まあ、おそらくそうなのかもしれませんが、私はなんとなく従姉妹に関わる人物ではないかと思うのですがね。
線香については妻も首を傾げるばかりでした。
そばで体験してみたいです。
いや、私がそばにいても全く見えないのでしょうけど。
私のそばにいると【体験】出来ると、実は評判なのですよ。
怖がりの人にはいい迷惑でしょうけど。
妻もそのひとりなのですが、今はもう諦めているようです。
家が近かったら、きっと毎日のようにお邪魔しているかもしれません。
ヒコ様について回っている・・・・かもです。(笑)
ヒコヒコさんのお話…不思議な事が起こるケース多いですよね。
やはり、ヒコヒコさんの体質ですかね??
お優しいヒコヒコさんを皆さんが守ってくれているのかも知れないですね。
不思議な事は不思議なままで、恐る事なく受け入れちゃうと皆さんがお力になってくれるかも知れませんね。きっとヒコヒコさんご功徳積まれていらっしゃるのでしょう。
そうですね。私も年々話し相手が少なくなって来ましたし、そりゃもう大歓迎ですよ!
何なら物件探しておきます〜!
不思議なことには事欠かないヒコヒコです。
先日の昼下がり、我が家の居間でぼおっとしていたら、玄関のエントランスを見知らぬ若い男性が入って来ました。
(誰だろう。セールスかな)と思ったのです、インターホンが一向に鳴りません。
(玄関前で何をやっているのだろう)と私の方からインターホンのカメラのスイッチを入れたら、誰もいないのです。
ちなみに妻もそばにいて、玄関前に入って来た男性を確認しています。また、私がインターホンを操作している間中、エントランスを戻って行った気配はありません。
ちなみにこういうことが、今回を含めて4回ありました。
そのうちの1回は妹で、エントランスを入って来るのを見たのですが、ドアを開ける気配が無い。後から妹に聞いてみると、今日はそっちの家には行っていないよということでした。
まさに我が家は不思議のデパート状態です。