一度しかない自分の人生を無駄にしてしまう3つの「ない」があるという。
ひとつは「時間がない」。二つ目は「金がない」。そして三つ目は「自信がない」。
つい口に出してしまうこれらの言葉が、自分の人生をつまらないものにしてしまうのだとか。
そう言われてみれば確かにそうかもしれないし、そんなこと言われても実際にそうなんだから無理だよと反発したくもなる。
ただ、今までの自分を振り返ってみると、これらの言葉に逃げていた自分がいたことも事実だ。要するに「言い訳」である。
この3つの「ない」を或る人に言われて、少しだけ目覚めた私は、とっくに折り返し地点を過ぎた自分の残り人生、これからは好きにさせてもらいますとばかりに、長い間ずうっと行きたいと思っていた「大原美術館」へと出かけたのだった。
岡山で新幹線から伯備線に乗り換えて倉敷で降りる。美観地区方面へと十五分ほど歩くと、目指す「大原美術館」へ到着した。
ここは日本で初めて建てられた私設の西洋美術館である。正面玄関はまるで神殿のような造りだ。そしてこの建物が本館だが、昭和5年に建築された当時のままとなっている。
正面玄関を入るとすぐに展示室となっており、展示室の入り口で音声ガイドの機器を借りることが出来る。
この大原美術館は倉敷の実業家大原孫三郎が、岡山に生まれた洋画家児島虎次郎に出会い、彼の才能と美術に対する見識の高さ、そして情熱を高く評価して、のちに虎次郎にヨーロッパでの洋画蒐集を指示するのだった。
大原より作品の募集を許された虎次郎は、精力的にその仕事に没頭し、印象派の巨匠モネをジベルニーのアトリエに訪ね「睡蓮」を購入、それからもマチス、マルケのアトリエからと次々と画家を訪ねては作品を直接購入して行った。その数は27点だったという。
その蒐集作品の展覧会を倉敷において開催したが、全国各地から大勢の観衆を集め、大きな反響を呼んだのである。
その後、アマン・ジャンや斉藤豊作に依頼していた西洋画も届き、再び展覧会を開催したところ、これもまた大好評を博したことに力を得た大原孫三郎は、さらなるコレクションの充実を図るため、虎次郎に募集を命じたのである。
大原美術館にはエル・グレコの「受胎告知」やゴーギャン、セガンティニ、ロートレック、ホドラー、ミレ、モロー、シャヴァンヌの名画があるが、これらはその時に蒐集されたものだった。
こうして集められた名画等は大原コレクションとして世に知られるようになったのだが、その大きな役割を担った児島虎次郎は昭和4年3月に47歳の若さで早逝してしまった。
大原は彼の死を悼み、その画家としての業績と、彼の念願であった西洋美術の公開を実現させるために美術館の建設に着手したのであった。それがこの大原美術館というわけである。
本館を見た後、日本の近代洋画や現代アートなどが展示されている分館を訪れ、岸田劉生や今話題の草間彌生の作品を鑑賞した。また、工芸・東洋館では私の小学校の大先輩である棟方志功画伯の作品に接することが出来て感無量であった。
私はこうして、大原美術館に展示された数々の名立たる絵画や彫刻を前にして、ひとつ夢が叶ったことを実感していた。
そしてもうひとつ、以前から日本の名城を巡ることも頭に描いていた私は、お隣りの福山市にある福山城へと足を運んだのだった。
JR倉敷駅:写真上
大原美術館正面玄関:写真中
倉敷美観地区付近:写真下
ひとつは「時間がない」。二つ目は「金がない」。そして三つ目は「自信がない」。
つい口に出してしまうこれらの言葉が、自分の人生をつまらないものにしてしまうのだとか。
そう言われてみれば確かにそうかもしれないし、そんなこと言われても実際にそうなんだから無理だよと反発したくもなる。
ただ、今までの自分を振り返ってみると、これらの言葉に逃げていた自分がいたことも事実だ。要するに「言い訳」である。
この3つの「ない」を或る人に言われて、少しだけ目覚めた私は、とっくに折り返し地点を過ぎた自分の残り人生、これからは好きにさせてもらいますとばかりに、長い間ずうっと行きたいと思っていた「大原美術館」へと出かけたのだった。
岡山で新幹線から伯備線に乗り換えて倉敷で降りる。美観地区方面へと十五分ほど歩くと、目指す「大原美術館」へ到着した。
ここは日本で初めて建てられた私設の西洋美術館である。正面玄関はまるで神殿のような造りだ。そしてこの建物が本館だが、昭和5年に建築された当時のままとなっている。
正面玄関を入るとすぐに展示室となっており、展示室の入り口で音声ガイドの機器を借りることが出来る。
この大原美術館は倉敷の実業家大原孫三郎が、岡山に生まれた洋画家児島虎次郎に出会い、彼の才能と美術に対する見識の高さ、そして情熱を高く評価して、のちに虎次郎にヨーロッパでの洋画蒐集を指示するのだった。
大原より作品の募集を許された虎次郎は、精力的にその仕事に没頭し、印象派の巨匠モネをジベルニーのアトリエに訪ね「睡蓮」を購入、それからもマチス、マルケのアトリエからと次々と画家を訪ねては作品を直接購入して行った。その数は27点だったという。
その蒐集作品の展覧会を倉敷において開催したが、全国各地から大勢の観衆を集め、大きな反響を呼んだのである。
その後、アマン・ジャンや斉藤豊作に依頼していた西洋画も届き、再び展覧会を開催したところ、これもまた大好評を博したことに力を得た大原孫三郎は、さらなるコレクションの充実を図るため、虎次郎に募集を命じたのである。
大原美術館にはエル・グレコの「受胎告知」やゴーギャン、セガンティニ、ロートレック、ホドラー、ミレ、モロー、シャヴァンヌの名画があるが、これらはその時に蒐集されたものだった。
こうして集められた名画等は大原コレクションとして世に知られるようになったのだが、その大きな役割を担った児島虎次郎は昭和4年3月に47歳の若さで早逝してしまった。
大原は彼の死を悼み、その画家としての業績と、彼の念願であった西洋美術の公開を実現させるために美術館の建設に着手したのであった。それがこの大原美術館というわけである。
本館を見た後、日本の近代洋画や現代アートなどが展示されている分館を訪れ、岸田劉生や今話題の草間彌生の作品を鑑賞した。また、工芸・東洋館では私の小学校の大先輩である棟方志功画伯の作品に接することが出来て感無量であった。
私はこうして、大原美術館に展示された数々の名立たる絵画や彫刻を前にして、ひとつ夢が叶ったことを実感していた。
そしてもうひとつ、以前から日本の名城を巡ることも頭に描いていた私は、お隣りの福山市にある福山城へと足を運んだのだった。
JR倉敷駅:写真上
大原美術館正面玄関:写真中
倉敷美観地区付近:写真下
コメント
大原美術館のご紹介をありがとうございます。
豊かな時間をお過ごしになられたのですね^^
福山城の記事もお待ちしております。
過去、3回は行きました。
でも、今ほど観光地化して無い時の事。
大原さんは立派ですね~。
一経営者がなさるには…。 すごすぎます!
もう一足、いや二足延ばして頂いて山陰地方(島根)まで行ってくださいな。
大原美術館とはまた違った、足立美術館というのがあり、窓からみえる
遠くの山をも景観の一つとした素晴らしい美術館です。
10月末から11月末までを利用されて是非に!(季節はこのころが一番)
足立美術館⇒松江城(国宝)⇒バタデン(一畑電鉄)にのって出雲大社まで!!!
出雲大社近くに島根県立古代出雲歴史博物館 があり、そこには壁一面に
銅剣が展示されています。(故郷で発掘されました)
ちょっとバックしてお泊りは玉造温泉にて。。。
田舎ですが見どころはそれなりにありますよ。
(ふるさとからの回し者でした m(__)m)
大原美術館、数年前に行きました。例年の友人との旅行で行ったのですが、岡山までの新幹線で乗り物酔いをし、倉敷への移動はヘロヘロ、おまけに小雨が降っている中訪れた大原美術館は苦痛でした。確か『エル・グレコ』の特別展をやっていて、友人の一人が異様に時間をかけて観てまして(-_-;) 大して興味の無い身としては、イライラと待っている状態でした。帰りに喫茶『エル・グレコ』で飲んだミルクセーキが美味しかったです(^^♪
翌日は天気も良く、倉敷そぞろ歩きは楽しかったです(^O^)
私は美術館より動物園とか博物館の方が相性がいい質です(笑)
倉敷へは行った事がありませんが、大原美術館は誰もが知る有名な美術館ですよね。
その素晴らしさは話で良く聞きますね。素晴らしい所へお出かけでしたね。
ゴーギャン。私はタヒチでゴーギャンにどっぷり触れて来ました。読書嫌いがサマセットモームの「月と六ペンス」も読破したんです。が、「ふ〜〜ん」的な感想しか出てこなくて…。何でしょう??この感性の鈍さ。我ながら自分が嫌になります。
そのくせ「フランダースの犬」の最終回ではギャン泣きするんですよ。アントワープへ行って「ルーベンスの二枚の絵を見たい!」とか言い出しますし…。
せっかく人間で産まれたんですものね。感動したり、心揺さぶられたりする情緒とか感性とか持ち合わせていた方が絶対良いですもの。
ヒコヒコさん。どうしたら私の錆びた感性を磨けますかね??とほほです。
今までの自分は「時間がない」にあまりにも縛られていたような気がします。自分の時間は自分で作るもの。そう意識を変えることにしました。その手始めに大原美術館を選択したわけですが、本当にここを訪れて良かったと思います。
一度だけではまだまだ物足りない。せめてあともう一回くらいは「時間を作って」再訪したいと思いました。
アミさんは三回も訪問されたことがあるのですね。それは羨ましい。私も今回訪問して、もう一度訪ねたいと思いましたよ。
さて、大原孫三郎さんはこうおっしゃっていたそうです。
「社会から頂いた利益は、社会へ還元すべきである」と。
世の多くの経営者や財界人に聞かせたい言葉ですね。本当に感服致しました。
実は山陰地方へのあこがれが強く、一昨年は何とか時間を割いて萩まで行ってきました。
妻が出雲大社へ行きたいと言っているので、今年は無理でも来年あたり訪ねてみようかと話し合っていたところです。
足立美術館はテレビでもよく取り上げられていますので、私も以前から知っていましたが、この美術館の庭園は本当に見事ですね。写真を見ただけでもその素晴らしさがよく分かります。
庵さんがご推奨の「足立美術館⇒松江城⇒バタデンで出雲大社」は是非実行に移させて頂きます。島根県立古代出雲歴史博物館の銅剣と玉造温泉、了解です!!
楽しみがまたひとつ増えました。あとはお金を貯めるだけ!!
これが一番の難問・難敵かもしれませんが、必ず突破します。
「根性がない」「体力がない」は確かにその通り。特に六十の声を聞くようになってから、その二つが顔を持ち上げて来たようです。
マダムMさんは大原美術館というか、倉敷には体調不良のせいもあって、良いイメージを持たれなかったご様子ですね。私と妻もまったく嗜好が異なるので、同じようなことがしばしば起こりますよ。
そうそう、今回私も喫茶『エル・グレコ』に入りたかったのですが、先を急ぎたい妻に急かされて入ること叶わず、がっかりでした。外観が素敵な店でしたよね。今思い返しても、うーん、残念。
ちなみに私は「動物園」との相性が悪く、なぜかいつもゴリラに○○○を投げつけられます。
まるこさん!タヒチでゴーギャンなんて凄いじゃないですか。ちなみに私の職場には、この間までゴーギャンの絵に出て来るような女性がおりました。これは余計な話でしたね。
まるこさん、感性が無いとお嘆きのご様子ですが、「フランダースの犬」の最終回でギャン泣き出来るのですから大丈夫ですよ。これで泣けなかったら危なかった!
私も最終回では泣いた口ですから、多少は感性がある方だと自負しています。
さて、感性の磨き方ですか。これはなかなか難しいですな。感性の無い原石どうしの者たちが、お互いぶつかり合って丸くなっていくのが良いのかと。
えっ、磨かれる前に割れて壊れるって!?
その時はお互い諦めましょう!