以前、このDNに書いたが、京都に住んでいる妻と私の知り合いが、本業をそっちのけで映画のエキストラをしており、その彼女から是非観て欲しいと言われた映画が「七つの会議」である。
勿論、その映画に彼女もエキストラとして参加しており、スクリーンの中に私を探して、というわけだ。もともとお茶目なところがある彼女だが、今回は「私、凄いところにいるから」と謎めいたことをいう。
試写も観たとのことで、自分の出ているその場面はカットされていなかったそうだ。
原作は映画と同名の「七つの会議」。作者は「下町ロケット」や「半沢直樹シリーズ」で人気の池井戸潤である。原作の方は既に読んでいたので、結末は分かっている。妻から観に行こうと誘われたが、結末を知っている物語を、わざわざ観に行くのもなあと乗り気ではなかったが、しばらく映画館にも足を運んでいなかったので重い腰を上げることにした。
さて、映画は冒頭から緊迫したシーンが続く。香川照之扮する東京建電営業部長北川の「では、定例会議を始める」の号令から物語もスタートする。
業績の上がらない営業二課・課長の原島(及川光博)は大勢の課員たちの前で北川に罵倒され、一方、常にノルマを達成する営業一課・課長の坂戸(片岡愛之助)を褒めそやす。
しかしその一課には一人の厄介者がいた。それがこのドラマの主人公である八角民夫(野村萬斎)だ。
こんな会議の最中にも居眠りはするは、有給休暇を申請するは、さらには残業も断るという太々しい八角の態度に、坂戸の怒りはついに頂点に達する。
厳しい言葉を八角に投げつけた坂戸だったが、そのことで逆に坂戸はパワハラで訴えられてしまうのだった。
だが、誰もが八角の訴えなど取り上げられないものと思っていたのに、下された判定はクロという意外な結果だった。トップセールスだった坂戸は、なんとその地位を追われることになってしまったのだ。
さらに八角の不明朗な金の流れを暴こうとした経理部の新田(藤森慎吾)も、職を解かれる羽目になってしまった。
本来なら会社から疎まれるべき人間である八角が、なぜか上層部によって庇護されている。営業一課長を継ぐことになった原島と、部下の浜本優衣(朝倉あき)は、その謎を探ろうとするのだが、そこにはとんでもない事実が隠されていた。
これ以上はネタバレになってしまうので、語ることを止めようと思う。本も面白かったが、映像化されるとより一層登場人物のキャラクターが立ってくる。
なにせ俳優たちが凄い。野村萬斎もミステリアスな雰囲気がよく出ていたし、香川照之をはじめ鹿賀丈史や北大路欣也、片岡愛之助らの「顔芸合戦」は圧巻と言うしかない。
こう言ってはなんだが、藤森慎吾は見事に役に嵌っていたと思う。「津軽百年食堂」を観た時、藤森慎吾は芝居も出来るのだと感心したが、今回はその「感心」すら感じさせることがなかった。
あっという間の二時間だったが、見終えて「しまった!」と悔やんだ。
エキストラで出ていた彼女のことをすっかり忘れていたからだ。
「私、凄いところにいるから」と言われたが、あの顔芸合戦の最中に彼女を見つけ出すなんて無理もいいところだ。
結局、妻もどこに出ていたのか分からなかったと言う。
「なんて答えようかねぇ」
「困ったねぇ」
京都からわざわざエキストラ出演のために、撮影地の埼玉まで出かけたと言う彼女に、電話をかけたのはその夜のことだった。
「分かった?私、萬斎さんのすぐ後ろに立っていたでしょ。バッチリ映ってたでしょ」
どうやらそれは、八角が坂戸課長に例の申請を出し、却下されるシーンだったようだが、残念ながらこれは後日、ビデオ判定を待つしかなさそうである。
勿論、その映画に彼女もエキストラとして参加しており、スクリーンの中に私を探して、というわけだ。もともとお茶目なところがある彼女だが、今回は「私、凄いところにいるから」と謎めいたことをいう。
試写も観たとのことで、自分の出ているその場面はカットされていなかったそうだ。
原作は映画と同名の「七つの会議」。作者は「下町ロケット」や「半沢直樹シリーズ」で人気の池井戸潤である。原作の方は既に読んでいたので、結末は分かっている。妻から観に行こうと誘われたが、結末を知っている物語を、わざわざ観に行くのもなあと乗り気ではなかったが、しばらく映画館にも足を運んでいなかったので重い腰を上げることにした。
さて、映画は冒頭から緊迫したシーンが続く。香川照之扮する東京建電営業部長北川の「では、定例会議を始める」の号令から物語もスタートする。
業績の上がらない営業二課・課長の原島(及川光博)は大勢の課員たちの前で北川に罵倒され、一方、常にノルマを達成する営業一課・課長の坂戸(片岡愛之助)を褒めそやす。
しかしその一課には一人の厄介者がいた。それがこのドラマの主人公である八角民夫(野村萬斎)だ。
こんな会議の最中にも居眠りはするは、有給休暇を申請するは、さらには残業も断るという太々しい八角の態度に、坂戸の怒りはついに頂点に達する。
厳しい言葉を八角に投げつけた坂戸だったが、そのことで逆に坂戸はパワハラで訴えられてしまうのだった。
だが、誰もが八角の訴えなど取り上げられないものと思っていたのに、下された判定はクロという意外な結果だった。トップセールスだった坂戸は、なんとその地位を追われることになってしまったのだ。
さらに八角の不明朗な金の流れを暴こうとした経理部の新田(藤森慎吾)も、職を解かれる羽目になってしまった。
本来なら会社から疎まれるべき人間である八角が、なぜか上層部によって庇護されている。営業一課長を継ぐことになった原島と、部下の浜本優衣(朝倉あき)は、その謎を探ろうとするのだが、そこにはとんでもない事実が隠されていた。
これ以上はネタバレになってしまうので、語ることを止めようと思う。本も面白かったが、映像化されるとより一層登場人物のキャラクターが立ってくる。
なにせ俳優たちが凄い。野村萬斎もミステリアスな雰囲気がよく出ていたし、香川照之をはじめ鹿賀丈史や北大路欣也、片岡愛之助らの「顔芸合戦」は圧巻と言うしかない。
こう言ってはなんだが、藤森慎吾は見事に役に嵌っていたと思う。「津軽百年食堂」を観た時、藤森慎吾は芝居も出来るのだと感心したが、今回はその「感心」すら感じさせることがなかった。
あっという間の二時間だったが、見終えて「しまった!」と悔やんだ。
エキストラで出ていた彼女のことをすっかり忘れていたからだ。
「私、凄いところにいるから」と言われたが、あの顔芸合戦の最中に彼女を見つけ出すなんて無理もいいところだ。
結局、妻もどこに出ていたのか分からなかったと言う。
「なんて答えようかねぇ」
「困ったねぇ」
京都からわざわざエキストラ出演のために、撮影地の埼玉まで出かけたと言う彼女に、電話をかけたのはその夜のことだった。
「分かった?私、萬斎さんのすぐ後ろに立っていたでしょ。バッチリ映ってたでしょ」
どうやらそれは、八角が坂戸課長に例の申請を出し、却下されるシーンだったようだが、残念ながらこれは後日、ビデオ判定を待つしかなさそうである。
コメント
埼玉ってロケに使われる事多いんですよね。
そうでしたか、お友達をスクリーンで発見とはいかなかったですか…
が、それも無理ないですよ。だって映画って見入ってしまいますもんね。
エキストラと言えば…昔、私と友人が珍しく六本木を歩いていた時スタジオ収録があるが観覧者が足りないという事でお誘い受けまして。暇だったのでテレ朝のスタジオで観覧。バラエティー番組だったんです。片岡鶴太郎さんが司会でしたから、相当昔ですね^^;が、番組ってこうやって作られるんだという事がちょっとだけ垣間見れて社会勉強になりました。が、後日放送を見ると間抜け面に私が映っていて…。
顔から火が出る思いでしたよ。弟と甥は仕事柄テレビ慣れしているんですけど、私は無理。そう言えば父も競馬新聞の記者さんのインタビュー苦手でしたから父に似たんでしょうね。苦笑。
彼女はあることが理由で、虐げられた青春時代を過ごしました。それ故に今になって爆発したのでしょう。やりたい事をするんだという気持ちがとても強く、エキストラもその一つです。
映画だけではなくテレビドラマにもよく出演しており、彼女の代表作?は「科捜研の女」です。
画面の中にその姿を見つけては、妻と笑っておりました。
そうそう、エキストラにもランクがある事を教えて貰いましたよ。巧い人?は割と目立つ場所にいるのだとか。彼女はどうやらそうらしいのですが...
まるこさんはテレ朝でスタジオ観覧されたようですが、昔、我が妻と息子が、やはりテレ朝でスタジオ観覧したことがあるのですよ。その時は高田万由子さんが司会か何かの番組で、息子は高田さんから声をかけてもらったと喜んでいました。
どうして観覧できたのかは不明ですが、私も行って見たかったなあと。もちろん不純な動機からですが。
私も本で読んでいたので、躊躇いがあったのですが、やはり観てきて良かったと思いました。自分の中に作り上げたイメージとの差を楽しむと言いますか、面白がるとでも言いますか、それだけでも1100円(シニアなので)の価値はあったかと思います。
さて、私の次に観ようと思っている映画は「マスカレード・ホテル」です。こちらも既に原作を読んでいますので、同様の理由からです。
ちなみに「マスカレード・ホテル」とその前日譚となる「マスカレード・イブ」の読書レヴューを次回アップしますね。
話を聞くと、エキストラもなかなか大変な仕事のようですよ。無報酬ですし、交通費も自腹だし、待ち時間が長かったり、早朝もしくは深夜にまで撮影が及んだりと、思惟さんの仰る通り健康な身体が必要なようですしね。
少なくとも私には到底無理な仕事です。それを嬉々として楽しんでいるエキストラの人たちは尊敬に値します。
思惟さんの目標としてのエキストラ活動、達成される事を祈ります!