損する顔 得する顔
「顔」で損をしたことがない。などと書くと大いなる誤解を生じそうなので、きちんとご説明すると、今の仕事に顔の美醜は影響されないということである。
つまりイケメンではなくとも、仕事が可能な業種に就いているのが私というわけである。
しかし、世の中にはそうもいかない仕事をされている方々が沢山いらっしゃる。
例えばモデルさんがそうだし、人気の俳優などもそうだろう。また、芸能界などに限らず、イケメン店員や美人店員がいるお店というただそれだけで、集客に結びつくことも多い。
だが、私の仕事のように本来なら顔の良し悪しは関係の無い筈の業種でさえも、実はその大半が「顔」で採用の可否を決めているとしたら、あなたはどう思うだろう。そのひとつの証拠が、履歴書へ顔写真を貼ることだ。日本人なら当たり前のように思っているこの行為も、諸外国では珍しいことなのだそうだ。
また、就職が有利になるようにプチ整形をする人たちの話は、私も知らないことは無かったが、ある採用担当の話では、能力的に横並びならば「容姿」で判断すると聞かされたことがある。
こんな話を聞かされると、世の中への不公平感が一層募りそうだが、では本当にイケメンや美女は得なのだろうか。
この本の著者である山口真美氏は大学の先生だが、彼女の祖父や父はかなりなイケメンであったという。ちなみに私の妻の父も若い頃は相当なイケメンで、戦前はバンドを組んで、若い女性たちに大いにもてたのだそうだが、これはどうでもいい。
さて、山口氏にも結婚するなら当然イケメンを選べというものと思いきや、彼女の祖母や母は「イケメンとは結婚するものではない」と常々語っていたそうだし、我が妻の母親もまったく同じことを話していたという。
凡人が考えるには、イケメンや美女と結婚出来たら、こんなに良いことはないと単純に思うのが普通だろう。だが、そうではないという彼女たちの真意は何なのか。
ところで、妻の母、すなわち義母はイケメンと結婚するなと娘に教えた。さて、ということは私は義母が望む通りの男だったのか、それとも妻がその教えに背いてまで私と結婚したのか、義母亡き今となっては確かめようもない。
そのことについて妻に尋ねても、口をつぐむばかりである。
しかし、クリスマスが近づいてきたり、自分の誕生日が近づいてきたりすると、妻は息子たちの前で、私に聞こえるように「お母さんはイケメンと結婚した」と言い始める。もちろんその真意は分かっている。

いつの間にか本の話から離れてしまった。
「イケメンとは結婚するものではない」と言った著者の祖母や母の真意、そして最終的に損をする顔、得する顔はあるのかどうか。その答えを知りたい方は是非ご一読を。日本人論としてもなかなか楽しく読むことが出来た。

「損する顔 得する顔」 山口真美 朝日新聞出版 1512円

コメント

アミ
2018年12月17日9:37

ヒコヒコさんがイケメンだとは、端からわかってました。(笑)

まるこ
2018年12月17日10:53

「容姿端麗」という一言で私の夢は砕け散りました。
「アテンションプリーズ」。このドラマの流行でCAに憧れた私。小学校四年生の時担任の先生に「まるこ、いいか!容姿淡麗、頭脳明晰じゃ無いとCAさんにはなれないんだぞ!!応募要項にそう書いてあるんだからな」と遠巻きに諦めなさいと諭された私。今では考えられませんが実際そう書いてあった事実があります。「見目麗しい」とはお得なことです。いや、決して頭脳明晰でもなかったんですけどね。算数では電車がトンネルを通過する時間を解く問題で「運転士の気分次第」と書き、職員室へ呼び出された過去があります。(実は今でも良く分かりません。〇〇まで25キロという表示を見ると、25分で着くな??と思うタイプですから)
イケメンや美女にはそれぞれご苦労もあるのでしょうけど。私もそんな苦労してみたいですよ。そういえば就職指導の先生に「履歴書の写真はケチらずに写真館で撮って来い」とも言われましたしね。私を採用した会社は「珍味」が好きだったんでしょうかね??笑。ヒコヒコさんはイケメン。奥様は美女。それはここでは皆さん周知の事ですよ!!笑。

ヒコヒコ
2018年12月17日10:54

アミさま
改めて鏡を見ました。
アミさま。最後の(笑)が気になっています(笑)

ヒコヒコ
2018年12月17日11:11

まるこさま
もう一度、鏡をみました。
最後の笑の一文字。気になっています(笑)

日本航空の第一期生募集広告には「容姿端麗 頭脳明晰」という一文が載っていたようですね。今こんなことを書いた求人募集があったら、大変な騒ぎになることでしょう。でも、一度こんな求人出してみたいものです。どんな人が応募してくるか興味があります(笑)
そういえば、昔、受験用の顔写真を仙台では有名な某写真館で撮影したことがあります。出来上がってきた写真を見た時、「あっ、俺じゃない」と思いました。
おふくろに見せても「誰、これ?」と首を傾げる有様です。当時から修正はかなり行われていたのですね。ちなみにその写真、卒業アルバムにも使われてしまい、誰これ?と話題になりました...
その卒業アルバムは、以来ページを捲っておりません。

マダムM
2018年12月17日11:18

ヒコヒコさん
やっぱりイケメンなんだ(^_-)-☆
我が家は私の祖母の母親が「〇〇小町」と呼ばれ、祖母の兄が役者顏だったそうです。祖母は父親似・・・ここで「美」の系譜は途絶えました(涙)
私?造作は仕方ないので他人様に不快感を与えないように日夜超高級クリーム(?)などで手入れをしておりまする(笑)

マサムネ
2018年12月17日11:36

ああ~!結婚してしまったああああああああ!(笑) 世界中の女性に心の中で土下座して生きていきます!

ヒコヒコ
2018年12月17日13:36

マダムMさま
いやいや、文脈をよくお読みくだされませ!
私がイケメンなどとは露ほども書いてはございませぬ。
過日、椿山荘の池に我が顔を写し、隣りに居りせし妻に「これがホントのイケメン(池面)」と言って、顰蹙をかったほどの造作の持ち主。
本当にイケメンなら、わざわざ池に顔など映しませぬ。
ところでマダムMさんの家系には、「〇〇小町」さんがおいでとか。ならばきっとマダムMさんにもその面影が現れている筈ですよ。それに大叔父が役者顔とは、これはもう間違いなくイケメンの血筋でいらっしゃる筈です!
あ~あ、我がご先祖様にそんな話は聞きません。羨ましい限りです。
(ご先祖様に叱られそう)

ヒコヒコ
2018年12月17日13:42

マサムネさま
そのひとことで、世界中の9割の男性を敵に回してしまうことになりますよ。いや、8割、それとも7割?(笑)
最近、表を歩いていると、案外イケメンが多いことに気がつきます。
こちら仙台も伊達男と呼ばれるだけあって、なかなかの好男子に遭遇すること多しです。
きっとマサムネさんも仙台に来れば、伊達男と思われるのではないですか?

しゆい
しゆい
2018年12月18日9:35

わたしもまるこさんと同意見です。奥様は美人でいらしてヒコヒコさんはイケメン。
これは覆りませんよ。うふふ。

前の結婚でとりわけ美醜に拘る前夫さんではありました。
だからといってはなんですが、採用試験は「顔で」という方針は
首をかしげますね。そんなん、千差万別・好みの問題じゃないですか。

顔で選ぶとは!失礼千万!人間なら中身の魅力を重視せよ、って感じです。

ヒコヒコ
2018年12月18日10:02

半田思惟さま
はい。私も同感です。と言っても、私がイケメンという話ではありませんよ。
採用試験の際に「顔」で選ぶということです。
採用する側は、その人の能力や人柄を一番に重視するべきだと思うのですがね。
かく云う私も採用する側の人間ですから、そのあたりのことはわきまえているつもりですし、そのように人を見てきたと自負しています。
ただひとつだけ言わせて頂くと、顔の美醜に関係なく、どこか卑屈になっていたり、人を妬んだり羨んだりしている人の表情には、翳りがあるように思えるのです。能力的には決して低くないのに、そういう人を採用すると、残念ながらトラブルが多く、長続きしませんでした。これはあくまで経験則として個人的な感想ですが。
それにしても「顔」で採用するという話が今でもまかり通っているとするならば、採用する側の意識改革をしなければなりませんね。このままでは欧米諸国に引けを取ってしまいます。

nophoto
一読者
2018年12月19日10:22

こんにちは。まだこの本を読んでいはいませんが、実際、未だまだ、容姿端麗は
(表向きは採用事項には掲げてありませんが)、根ずよく残っているとおもいます。
テレビ局、大手の会社の受付嬢、航空会社のgrandホステス、女性秘書などは、頭脳、気配りも備わっていなければなりません。受付嬢は、その会社の表玄関ですから、正直なところ
常識な心得を持っていれば、同じ採用ならば、美しい事にこしたことはないかも
しれません。その人の、能力や人柄は、時間をかけて滲み出るもので、なかなか、
数分の面接で見分けられものかと思いますが、採用者がヒコヒコさんのような
経験豊かな人ばかりではない、まだ、昭和を引きずってる頭の硬い人達がいるのも
事実です。

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