真っ赤なりんご
わたしはまっかな リンゴです
お国は寒い 北の国
リンゴ畑の 晴れた日に
箱につめられ 汽車ポッポ
町の市場へ つきました
リンゴ リンゴ リンゴ
リンゴかわいい ひとりごと


生まれこそ青森ではないけれど、半分は青森人の私。
青森駅に降り立つたびに、『りんごのひとりごと』という童謡を、今でもつい口ずさんでしまう。
青函連絡船が全盛だった昭和30年代から40年代にかけては、青森の町全体に賑わいがあった。その中でも目を引いたのは、青森駅舎の南側にあったりんご市場である。
露店の小さな店がずらりと並び、雪が降ろうが吹雪が吹こうが、かっちゃ(お母さん)たちが真っ赤に熟したりんごを売っていた。
雪がしんしんと降り積もる中、りんご箱に入った真っ赤なりんごは、裸電球の灯りに照らされて、そこだけは暖かな別世界。しもやけで真っ赤になったかっちゃの手で、一個ずつきれいに磨かれたりんごは、今も私の脳裏に鮮やかに甦ってくる。
こんなことがあった。
まだ幼かった私は、一軒の店先で、赤い光沢を放つりんごを眺めていたことがある。するとその店のかっちゃが何かを言いながら、私の手でも掴めるほどの小さなりんごを差し出した。そのりんごがどうなったのかは記憶にないが、やたらに冷たかったことを今でも覚えている。

果物店の おじさんに
お顔をきれいに みがかれて
みんな並んだ お店さき
青いお空を 見るたびに
リンゴ畑を 思いだす
リンゴ リンゴ リンゴ
リンゴかわいい ひとりごと

多感な少年時代に青森を離れることになり、雪のほとんど降らない町に住むことになった。両親はそれをとても喜んだが、私はその町の冬の青空を見上げるたびに、青森のどんよりとのしかかるような曇り空を思い浮かべた。
私の原風景は、きっと曇り空なのかもしれない。

コメント

まるこ
2018年12月7日10:12

青森と言えばリンゴですね。雪の白さとリンゴの赤が素敵なコントラストですね。私は青森へは父の仕事で天間林村に行った事があります。馬の牧場でしたが季節が夏で、リンゴとは出会えませんでした。
私の実家では「レンタルリンゴの木」を群馬の北部の川場村と言うところでレンタルしていました。なのでこの時期は実家の部屋がリンゴだらけでよい香りがしていました。諸般の事情で今年からレンタルリンゴはやめましたが、亡き父と元気だった母との良い思い出がたくさんあります。スーパーなどでリンゴを見ると楽しかった日々を過ごした事を思い出します。そういえばリンゴって昔は木箱に籾殻で送られて来ましたね。木箱の釘を抜く時のワクワクした気持ち。幼心に覚えております。
あ、それとヒコヒコさん。昨日拝読したコメントにいたく恐縮しております。私は病院の待合時間や移動中の電車で読書せずスマホばかり触っています。日常生活でも買い物と病院以外は滅多に外出しません。なのでここを訪れては日記仲間の皆様のご様子拝読したりコメント書かせて頂いておる次第です。案外バタバタしているようですが料理の合間や空いた時間にスマホやiPad を触っているんです。要は孤独で暇と言ったところでしょうか?文才もなく、知恵に乏しい私ですが、ここでの皆様との触れ合いが活力になります。一家の大黒柱のヒコヒコさんの様に重責がある訳でも無いのです。以前旅行会社で企画やパンフレット製作に携わってはいましたが、出版会社の編集者からダメ出しばかり頂戴してお四苦八苦でした。ヒコヒコさんにその様言って頂くという顔から火が出そうです。かくいう今も病院までの電車の中です。

マダムM
2018年12月7日11:25

リンゴの香りは幸せな気分になれて、大好きですよ。リンゴ好きとしては邪道である、甘くてフカフカのリンゴが好きです(^^♪ 固くて酸っぱいのは苦手です。
そうそう、昔は木箱でしたね。冬場にリンゴとミカンは箱買いをしてワクワクしたものです。
リンゴを使ったお菓子も美味しくていいですね。アップルパイだけでなくアップルリングパンというのも、つい手が出ます(^O^)
一日一個のリンゴは健康の素、って今思い出しました。

ヒコヒコ
2018年12月7日14:05

まるこさま
天間林村は私も過去に何度か訪れたことがあります。今年は五戸や六ヶ所村などにも行きました。あのあたりは昔から馬が有名なところですよね。
コメントを拝見したら、まるこさんもりんごの思い出をお持ちのご様子。遠い記憶でも、赤いリンゴの色は失せませんからね。
ところでまるこさん。やはり文章のお仕事に関わっておられましたね。出版社の編集者からダメ出しを受けておられたということは、相当腕を磨いていましたね。私の目に狂いはなかったということですな!

まるこ
2018年12月7日14:18

いやいやいや…誤解ですって!!ヒコヒコさん。
旅行の企画をし、雑誌などに載せるのに校閲とか色々あるんですよ。
私は難しい事は分かりませんが、なんだか編集者さんがそう言っていました。
何せ知恵の薄い子ですから…。誤字脱字、構成とか。そんなダメ出しですよ。
私は旅行の企画が通ればそれで良いのであって、好きな様にパンフィレット作らせてもらえれば良いんです。それ以外は他の方にお任せしたいと思うんですけど、上司の命令となると「yes,sir 」ですよ。会社勤めに辛い所です。苦手だなんだとは言えない世界ヒコヒコさんならご存知のはず。腕を磨いていたらこんな稚拙な文章書きませんって!!誤解です!!大いなる誤解ですから!!←訂正に必死です。

まるこ
2018年12月7日14:24

ほら、その証拠にコメント誤字脱字あるでしょう??
担当に編集者さん、相当ご苦労なさったと思います。英文タイプ以来苦手なんです。タイピング。根っからのアナログ人間ですから。

ヒコヒコ
2018年12月7日14:46

マダムMさま
今回のブログの舞台となった昭和30~40年代ですが、当時、青森駅の小荷物受付所へ行くと、いつもリンゴの香りが充満していました。蒸気機関車の煙の匂いに混じった甘酸っぱいリンゴの香りが忘れられません。赤い色と同様に香りもまた記憶に残るものですね。
ところでマダムMさんは、甘くてフカフカのリンゴがお好きなようですが、「ふじ」とか「津軽」あたりの銘柄になりますか。
私もあまり酸っぱいのは苦手なので、やはり「ふじ」とか「王林」あたりを好んで食べるところがあります。「紅玉」は固めで酸っぱいですが、いかにもリンゴらしいリンゴだと思います。このリンゴはどちらかといえば、ジャムなどに加工されますが、実際には皮も柔らかく、噛むほどに甘みも出て来ます。
この紅玉で自家製のアップルパイなんか作ったら、きっと美味しいことでしょう。
「リンゴ一個で医者知らず」
そういえば最近、口にしていませんでした。

ヒコヒコ
2018年12月7日14:58

まるこさま
いやいや、そんなご謙遜を!!
今のコメントだってそう簡単には書けませんよ。頭の回転だって速くなければこれだけ早くは書けません。
誤字脱字なんてご愛嬌です。今日は急いで書かれていらっしゃるからそうでしょうが、普段のまるこさんの文章にはありませんからね。
でも、パンフレット作りって面白そうですね。写真のレイアウトなんかもされるんでしょうか?
勿論、売り上げに繋がる訳ですから、そう簡単なものではないことは理解出来ますが、そういうのって案外好きなんです。
まるこさんの作ったパンフレットを拝見したいものです。

まるこ
2018年12月7日16:12

ヒコヒコさん。
残念ながら「旅行屋」から足を洗った時、全部処分してしまいましたが、思えば記念に取っておけば良かったですね…。一番印象に残っているのが濃紺の無地の表紙にど真ん中に金文字で会社のロゴをポンとあしらった見開きのパンフィレットですかね??バブル時代にごちゃごちゃ写真で飾らずに敢えてシンプルなパンフレット作った時はちょっと悦でした。確かトルコ航空との絡みで中身はトルコのツアーだった様に記憶しております。今でこそイスタンブールやカッパドキアなどもてはやされていますが、当時トルコを売るのは大変でした。雑誌掲載で記憶に残っている企画はモロッコ、コタキナバル、ランカウイ、がその当時の先駆けでしたので記憶に残っています。
写真はモロッコ大使館でお借りしたりしました。今はメジャーな観光地ですが、当時はまだ未開の土地でしたね。グアム、サイパンなどはコンスタントに売れました。名門ゴルフ場と提携し、かなりのゴルファーを送り込んでいました。流石バブル期ですね。ヒコヒコさんがレイアウトなさって下さったら、きっともっと売れたと思いますよ。文章だってもっと高尚になった筈です。残念です。

が、ここだけの話ですが、一番力を入れた企画は自分のホリデー用でした。笑。

マサムネ
2018年12月7日17:23

そう言えば、最近「青森の黒石りんごでございます」(石焼き芋のように拡声器で売りに来てた)を見なくなりました。 石焼き芋の人も見ない代わりに、石焼きがまで焼いたピザ屋をスーパーの前で見るように。 商売の形態が変わりつつあるのかも?

chiaki
2018年12月9日10:31

リンゴの童謡、知りませんでした。
かわいい歌詞ですね!
リンゴといえば王林が好みです。
酸味が少なく果肉がやわらかい♪♪
あごが弱いのか、固いのは苦手です…

nophoto
一読者
2018年12月9日11:37

この童謡を知っているのは、その年代に近いからですが、1番は覚えていますが
2番目の果物店のおじさんは、はっきりとは覚えていませんでした。
青いお空をみるたびに…なんか胸がキュンとしました。youtubeで見ると、りんごに関する歌が多いんですね。昭和の敗戦時期には、並木路子のりんごの歌とか、美空ひばりのりんご追分とか、りんごって哀愁と、故郷への愛着、初恋の甘酸っぱさなど、なんとも。。。深いなと思います。
一個のりんごに沢山の想いが詰まっていて、これからは大事に頂くことにします。

ヒコヒコ
2018年12月10日8:19

マサムネさま
人は世に連れ、世は人に連れ。
時代と共に様々なものが変わりゆくのですね。
メロンパンを焼いて販売するというワゴン車が来た時には驚きましたが、
最近はそれもあまり見かけなくなりました。
そういえば、焼き芋屋も来なくなりましたねぇ。なんだか淋しいく感じるのは歳のせいでしょうか。

ヒコヒコ
2018年12月10日8:27

chiakiさま
ある一定の年齢(年代)以上の方ならば、この童謡は結構知られている筈です。
ご存知なかったということは、それだけお若いのですよ。羨ましい!!
なにしろこの童謡が出来たのは戦前のことです。しかも作詞した武内俊子氏は北国どころか広島の方でした。
この童謡、どこかに切なさが秘められていて、今も耳にするたびに胸キュン状態になる私でした。
ちなみに私、顎は丈夫なのですが歯が少々弱いので、やはり固いものは苦手です。切ないです...

ヒコヒコ
2018年12月10日8:38

一読者さま
この童謡、実は歌詞が3番まであります。
著作権保護期間は過ぎているので、ここでご紹介させて頂きますと、

今頃どうして いるかしら
りんご畑の お爺さん
箱にりんごを つめながら
歌をうたって いるかしら
煙草ふかして いるかしら
りんご りんご りんご りんご
可愛い ひとりごと

となります。
なんだかこのりんご。嫁に出された娘のように思えますね。
童謡作家の武内俊子氏が、病床でお見舞いにもらったりんごからモチーフを得て作詞したと言われています。
それにしても、一読者さんのおっしゃるように、りんごを題材にした歌は多いですね。日本人の琴線に触れる何かがりんごにはあるのでしょうか。
蜜柑の歌もありますが、イメージ的にはどちらかというと爽やかで明るい感じのものが多いように思うのは、柑橘系?だからでしょうか。面白いですね。

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