友人のOから映画の試写会に誘われた。タイトルを聞くと「鳥刺し」だという。
「鳥刺し?」
レバ刺しの間違いではないのかともう一度訊ねたら「必死剣 鳥刺し」だと言う。
藤沢周平の短編小説が原作の時代劇らしい。知らなかった。
ちょうど仕事も一段落していたので承諾した。
Oと一緒に試写会へ行ったのは、三谷幸喜の「みんなの家」が最後だったから、随分久し振りだ。

開演20分前に会場へ着くが、時代劇の試写会だけに、60代70代の高齢者が目に付く。
Oからチケットを渡されたが、真ん中の後ろの見やすい席を確保しておいてくれた。
さて、藤沢周平の小説ではおなじみの、山形は庄内の海坂藩という架空の藩での物語り。内容を少しだけ紹介すると、
近習頭取の兼見三左エ門(豊川悦司)が、藩主右京太夫の愛妾連子(関めぐみ)を城中で刺し殺してしまうというショッキングな出だしで始まる。
藩政に影響を及ぼす妾に、誰も逆らえる者がなく、三左エ門の已むにやまれぬ行動だった。
本来ならば厳罰に処せられるべきところを、なぜか一年の閉門と減石という比較的軽い処分で済まされる。中老の津田民部(岸部一徳)の寛大な処分と思われたのだが、その裏にはある謀略が仕組まれていた...というお話。
タイトルの「必死剣 鳥刺し」とは、兼見三左エ門が編み出した必殺の奥義だ。
津田民部がどのような技なのかを問うシーンが出てくるが、「使うときは絶体絶命の時。半分は死んでいる状態」との答えに首を傾げる。
普通なら必殺の剣というべきところを、必死という。
映画のラスト15分は凄惨な大立ち回りとなるが、その意味がここに来て始めて明かされることになる。
なかなか見ごたえのある映画に仕上がっていた。

それにしてもOは関めぐみは良いだの、池脇千鶴は姪に似ているだの、私の耳元で囁いてくる。
私はどちらも知らなかった。
お前、本当は映画の内容よりも彼女たちを見に来たのだろう、と言ったら、ニヤリと笑って目元が緩んだ。


公式ホームページ

http://www.torisashi.com/

コメント

chiaki
2010年7月8日9:38

この間、テレビで豊川悦司と吉川晃司がインタビューを受けていて、
「時代劇」という言葉が聞こえてきたのですが、これのことだったのですね。
チラッとしか見なかったので、ドラマかな?と思ってました。

映画やドラマはそのストーリーももちろん楽しみですが、
イケメンさんを見るのも楽しみです。
今、「龍馬伝」を見ているのも、存分に福山雅治を拝めるからです♪♪
(なので、ストーリーは実は7割くらいしかわかってません)

ご友人の方も、そういうタイプのようですね(^^;

ヒコヒコ
2010年7月9日7:46

chiakiさま

友人のOはまさにそういうタイプの男です。
とにかくテレビドラマ大好き人間で、若手俳優(特に女優)の情報に関しては詳しいですよ。
そのせいかどうか、気持ちだけは若々しいですね。見習わなければなりません。
よし、がんばろう!

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